不動産のお話67(斜線制限:北側斜線②緩和ルール其の二)
斜線制限は、高さを規制するためのルールです。ある点から斜めに線を引き、その範囲に建物が収まるように設計します。
斜線制限は、「道路斜線」「隣地斜線」「北側斜線」の三種類です。
道路斜線は、基本的にどこでも適用。
隣地斜線は、低層・田園以外適用。
北側斜線は、低層・田園・中高層エリアのみ適用。
今回は、前回に引き続き、斜線制限のうち「北側斜線制限」の斜線制限の緩和ルールについてお話しできたらと思います。
高低差緩和
- 高低差緩和とは「北側の隣地」が「敷地の地盤面」より1m以上高い場合の緩和措置のこと。
- 敷地の地盤面より北側の隣地が高い場合、建築可能範囲が不利になってしまうので、この緩和措置がある。
- その高低差から1mを引き、残りの1/2だけ「敷地の地盤面」が高い位置にあるものとみなして、北側斜線を算定する
建物の地盤面が北側の地盤面よりも1m以上低い場合には、高低差から1m引いた残り2分の1の位置だけ地盤面が高い位置にあるとして、北側斜線を算定するという緩和措置です。
【計算方法】
高低差から1mを引き、残りの1/2だけ敷地の地盤面が高い位置にあるものとみなして、「一定の高さ」と「一定の勾配」を引きます。
(H-1m)÷2=緩和地盤面
例えば、高低差が2mの場合、 (2-1m)÷2=0.5m
0.5m敷地が高い位置にあるとみなします。
そこから「一定の高さ」上がったところから、北側斜線スタートになります。
※用途地域が決まっていることによって周辺環境を守ったり、斜線規制が設けられていることでみんなが快適に過ごせるように、計算されてます。
天空率の緩和
平成15年に天空率を用いた緩和が施行されるまで、道路斜線制限や北側斜線制限に少しでも引っかかってしまうと、特に採光の妨げになっているわけではないのにも関わらず建物を建てることができませんでした。
そういう経緯があり、建物と空の比率で採光面積を確保できているかを判断する新たな基準、「天空率」が生まれました。
これにより、道路斜線制限や北側斜線制限で不適合となってしまった場合でも、天空率の基準に適合すれば建物を建てることができるようになったのです。
天空率はどうやって算出するの?
天空率を数値化して表すには複雑な計算が必要で、測定地点をどこにするかという算出方法も非常に細かく、なかなか一言で表すことが出来ません。
簡単に言ってしまえば、所定の地点から天空を「魚眼レンズ」で見上げたときに、建物に対してどのくらいの空の割合があるか……によって判断する。。。らしいです。。わたしもよくわかっていません。すみません。
二回にわたって、北側斜線の緩和についてお話してきました。少しでもイメージをつかめればと思います。
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