今日の本215(ボクの妻と結婚してください。)
おはようございます。昨日の夜中はすごい雨でしたね。雨の音でなかなか眠れませんでした。朝にはやんでよかったです。週末は晴れそうです。お出かけ日和になりそうですね。
今日の本は、樋口卓治さん、ボクの妻と結婚してください。、です。
#kokkoさんの今日の本 #樋口卓治 #ボクの妻と結婚してください。
【妻になんて言おう】
放送作家の僕には家族がいる。
結婚して15年になる妻・綾子38歳と息子・陽一郎10歳。
二人を残して6か月後には旅立たなければならない。
この状況を「楽しい」に変換し、気軽に死んでいくのは難しそうだ。
「妻になんて言おう」
妻に余命6か月をなんとか楽しく伝えられないものか。
仮に死ぬまでに何かしておきたいとしたら、
一本でいい、妻を心の底から楽しませる番組を作りたい。
この先、妻はバツイチになる。
妻のために余命6か月をどう生きるかを、僕はずっと考えている。
僕がいなくなっても、妻と息子が幸せに暮らす。
妻と息子を愛してくれる人がどこかにいる。
「そうだ、妻の結婚相手を探そう!」
椅子に座り、何度も、くるくる回りながら、考えた。
企画には正義がいるのだ。
誰かが傷ついたりはしないか。
やっぱり死ぬのは怖い。
だから、家族が幸せに暮らしている姿を想像する。
それだけで、余命を生きられる。
愛する人の未来に幸せを残すと、僕は決めた。
余命宣告されたあとの過ごし方は人それぞれだ。
彼は愛する人の未来に幸せを求めた。
そのために余命を精一杯生きたのだ。
本当は、近づいてくる死に、叫び狂うほど弱音を吐きたかった。
怖い。怖い。死にたくない。
だから、妻の結婚相手を探すことで、
必死にその恐怖を「楽しい」に変換しようとした。
だから、死ぬ直前まで笑顔でいられたんだ。
でも、それは、、、
最愛の人が送ってくれた、優しい噓だった。
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