不動産のお話51(様々な床面積①:延床面積)

今回は、様々な床面積についてお話しできたらと思います。床面積といっても、延べ床面積・建築面積・土地面積・施工面積など、いろいろな床面積の種類があります。

今回は延べ床面積についてお話しできたらと思います。


延べ床面積とは


延べ床面積とは「1階の床面積+2階の床面積+3階の床面積・・・・」というふうに、すべての階の床面積を合計したものです。各界の床面積は、壁または柱に囲まれた部分で計算されます。


延べ床面積に含まれないもの


延べ床面積とは、単純に床面積を全部足したものではなく、「建築基準法で延べ床面積に算定されない部分」が存在します。

広い家をつくりたいなら、延べ床面積をなるべく広くすれば良いと思いますよね。しかし延べ床面積は、容積率や建築確認申請、登記にも使われます。つまり容積率がネックで広さが限られたり、延べ床面積を増やすことで固定資産税が上がったりする可能性もあるということです。

こうした制限のもとで広々とした家をつくるには、「延べ床面積に含まれないもの」をうまく活用すると良いでしょう。

◎ロフト◎

ロフトは建築基準法では「小屋裏収納」と呼ばれ、以下のようなルールを守れば、延べ床面積に含まれません。

  • 天井高1.4m以下
  • 面積が設置する階の床面積の1/2未満
  • はしごを固定しない

本来ロフトは季節モノなどをしまう収納スペースとして使いますが、お子さんの秘密基地のような遊び場や大人の趣味のスペース、ベッドルーム等として活用することも。うまく使えば、容積率に影響せずに、空間を増やすことができます。

◎吹き抜け◎

住宅の一部を吹き抜けにすることで、床面積を抑えながら、開放的な空間をつくることができます。例えば1階リビングの上に吹き抜けをつくると、1階部分は延べ床面積に入りますが、2階の部分は床がないので算入されません。ただし吹き抜け部分も床がないとはいえ工事費はかかるので、施工面積には入れられることが多いです。

◎ベランダやバルコニー◎

ベランダやバルコニーは、外壁から出ている部分のうち、幅2mまでは延べ床面積に含まれません。また、外部空間の庇などの壁で囲まれていない部分も2mまでは算入されないルールです。

バルコニーの奥行きが2mもあれば、テーブル&チェアを置いてオープンカフェのように使ったり、アウトドアを楽しんだりと、かなり活用できます。容積率の制限で2階部分を広くできない場合、広めのバルコニーを検討してみてはいかがでしょうか。

◎外階段◎

一般的な住宅の階段は述べ床面積に算入されますが、建物の外にある階段は不算入となります。二世帯住宅や屋上へ行く外階段をつける場合などは選択肢の一つに入ってくるかもしれません。

※どんな階段でも良いというわけではなく、屋外に開放されている部分の割合や高さなどの条件を満たさす必要があります

◎出窓◎

出窓をつくると、部屋に奥行き感を出すことができます。また、外壁から出っ張っているので、光をたっぷり取り込んで明るい空間をつくれるというメリットも。インテリアを飾るスペースにするほか、デスクとつなげるなどの活用方法もあります。

  • 高さ30cm以上
  • 外壁面からの水平距離50cm未満
  • 見付け面積の 1/2以上が窓

まとめ


延べ床面積が広くなるほど、建築費用は高くなり、固定資産税や、容積率にも影響します。ロフトやバルコニーなど、延べ床面積に不算入の要素をうまく取り入れることで、家を広く感じさせることは可能です。

ただ、延べ床面積が小さいとキッチンなどお金のかかる部分の割合が増え、坪単価は高くなる傾向にあります。また、住宅会社ごとに坪単価の計算方法は変わるので、確認しましょう。

次回は、延べ床面積にも関係する他の床面積を紹介できればと思います。

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