今日の本192(パーフェクト・ブルー)
おはようございます。コロナが猛威を振るっていますね。コロナだけでなくインフルエンザや胃腸炎など流行る時期なので、病院はパンパンのようです。学校も学級閉鎖されるところが多く、働いていて小さいお子さんがいらっしゃるご家庭は、毎日冷や冷やものだと思います。子どもが風邪を引いたら、コロナをもらってきたら、仕事に行けない生活ができなくなる、ですが、一番つらいのはやはり病気になったお子さんだと思います。なりたくてなったわけじゃない病気。しんどくても頑張ってくれている親を見てツライを言えない子どもたち。保育園に行っている子はそういうことをわかっているお子さんが多いです。しんどいときこそ、お子さんの気持ちも忘れないであげましょう。
今日の本は、宮部みゆきさん、パーフェクト・ブルー、です。元警察犬「マサ」とその飼い主加代ちゃん(探偵)のお話です。ドラマ化、映画化されています。
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【パーフェクト・ブルー】
それはほんとうに美しい青色をしていたんだ。
この世のものでないかのような、とてもとても美しい青だった。
パーフェクトなブルー。
それが彼らにもたらしたのは幸せではなく、悲劇だった。
悲劇はとりわけ強い酒なんだよ。
割っても割っても薄くならず、命取りになるような辛い良いばかりを残す、暗い色をした酒。
何度も見たことのある、予期せぬ事件の中に放り込まれた人たち特有の、酔ったような表情。
あまりにも若すぎた。
あまりにも早い、理不尽な死だった。
その運命の残酷さ、不公平さ。
参列者たちは一様に、悲しむのと同様に怒っていた。
「どうしておまえが死ななかったのよ!」
爆弾の投下から爆発まで、一瞬の静寂が訪れるかのように。
・・・・あたりから音が消えた。
「どうしておまえじゃなかったのよ!」
振り上げたその手は、行く場を失い、
そう言った実の母親は、涙を流し倒れた。
・・・・少年は背を向けたままだった。
どうして兄でなく自分でなかったのか。
一番、そう思っていたのは少年だった。
出来のいい兄。出来の悪い弟。
よくある話で、当然いつも比べられてた。
片や野球界のスター、片や家にあまり寄り付かない不良少年。
けど、仲が悪かったわけじゃないんだ。
俺たちは、親がいない所でだけ、安心して兄弟でいられた。
俺たちは二人で、たくさん喋ったしたくさん一緒に笑った。
本当に信頼できたのは兄さんだけだった。
それは兄さんも同じだっただろうと思う。
俺たちは二人で支えあって生きてきたんだ。
・・・・いつだって。・・・・あのときだって。なのに。。
兄を殺したのは誰なのか。
どうして兄は殺されなくちゃいけなかったのか。
転がり込んだ先の探偵事務所で、新米女探偵と喧嘩しつつも、真相を暴くために前進していきます。元警察犬のマサの視点で描かれる、あらゆるジャンルを描き続ける宮部みゆきさんの、記念すべき長編ミステリです。
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