今日の本193(心をとろかすような)
おはようございます。コロナワクチンの三回目接種が始まっています。ファイザーは人気ですし、五歳以上の子どもの接種はファイザーしかできないのでその在庫の確保もあり、なかなか大人はファイザーは予約できませんね。モデルナでも効果は変わらないそうなので、リスクを鑑みて三回目の接種もできるだけ受けましょう。
今日の本は、宮部みゆきさん、心をとろかすような、元警察犬マサの事件簿シリーズ第二段です。
#kokkoさんの今日の本 #宮部みゆき #心をとろかすような
申し遅れたが、俺の名前はマサ。
蓮見探偵事務所の用心犬である。
そこで働く愛娘加代ちゃんの相棒である。
額に白い星のあるジャーマンシェパードだ。
俺が見てきた人間たちの話をしよう。
人間は時に摩訶不思議な行動を犯す。
犬なら到底やらないことを、だ。
【心をとろかすような笑顔に負けてしまったのですよ】
わたし、パパとママの本当の子どもじゃないのかもしれない。
わたしなんかいなくなってしまえばいい、そう思ってるのよ。
ああ、死んでしまいたい。
なんてことを!子どもを愛さない親などいるものか!
そういってもあの子は聞かなかった。
さめざめと泣くあの子を、ほおってはおけなかった。
ああ、おじさんの子どもになれたらいいのに!!
とうとう私は負けてしまったのです。
あの子の心をとろかすような笑顔に。
あの子は根っからの詐欺師だった。
事情を知っているのに、
それでもどうかすると、
「あの子の言うとおりにしてあげたい」
「あの子に嫌われたくない」
そういう気持ちになってしまう。
ああ、あの子の心をとろかすような笑顔。
それをあの子は知っている。自分の武器として。
寂しい心を鷲掴みにする。そして毟り取る。
親に強請を手伝えと言われたのか。
いや自ら進んで手伝っていたのか。
俺は知りたい。
あの子も札束を数えていたのだろうか。
指をなめながら数えていたのだろうか。
ねぇ、誰か教えてくれないだろうか。
年端も行かない子どもの犯罪など気が滅入る。
確かにそうだが、興味があるだろう?
ねぇ??
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