今日の本241(顔FACE)

おはようございます。もう七月も下旬。お盆も近くなってきましたね。お盆休みは一週間ほどある方も多いかと思います。お出かけのご予定のある方はソーシャルディスタンスを忘れずにいたしましょう。
今日の本は、横山秀夫さん、顔FACE、です。
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【お手柄婦警 似顔絵で犯人御用】
犯人が捕まった。所轄から犯人の顔写真が届いた。
課員の誰もが絶句した。
似ていなかったのだ。
瑞穂のかいた似顔絵に。少しも。。

【だから女は使えねぇ】

耳を疑った。
心が凍り付いた。

しっかりと仕事さえしていれば、
鑑識に男も女もないと思っていた。
書き直せと命じられ、泣きながら拒否し続けた。
が、結局書き直すことになった。
それも、犯人の写真とそっくりに。

翌朝の新聞に載ったのは
「お手柄婦警 似顔絵で犯人御用」。
声の出ない悲鳴を上げた。

悔恨と自己嫌悪。
無断欠勤。
失踪騒ぎ。
そして、半年の休職。

復帰後、療養として広報課に回された。
鑑識での仕事がしたい、、、
そう思いつつもどこの部署でも精いっぱい。
そう心に念じ今の職務に忠実に立ち向かう。

もう二度と、あんな思いはしたくない。

似顔絵婦警・平野瑞穂。
彼女が描くのは顔だけではない。
犯罪者の心の闇。
追い詰めるのは「顔なき犯人」。

彼女にしかできない似顔絵から導かれる犯人像。
絵は似ているだけではだめなのだ。
その人の性格さえもその絵に現れてこそ、
本当の、似顔絵師と言えるだろう。
瑞穂は似顔絵師として完全復活なるのか?

婦人警官、婦警さん(現在では女性警官といいます)が、
まだまだ男性社会といえる警察組織で、
女性の権利を勝ち取っていく為に奮闘する姿が描かれています。

闘って闘って・・・
限界まで闘って散っていった女性警官も多い。
結婚することで警察官であることを辞めることを正当化する者。
病気になってしまいやめざるを得なくなってしまった者。
何を言われても挫けず、自分の信念を貫くために、
ひたすら前を向き、女性の地位を向上しようと奮闘する者。

男女平等といいつつも、職種によってはなかなか難しいところもあります。
ですが、それを少しずつでも変えようとする人たちがいるからこそ、
社会は良くなっていくのでしょう。

ドラマ化されています。オダギリジョーさん、仲間由紀恵さん、若いです。

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