今日の本202(ホリデー・イン)

おはようございます。ウクライナ情勢は長引きそうです。何もしていないのに、何の非もないのに、突然国を攻められた。それを許すことが出来るのか。自国がその立場だったら。民間人を守るため、いったん降伏するのも手だ、という意見もありますが、その後で本当に元の鞘に戻れるのか。そこまで保証してそういう意見を言っているのか。自分の国にいることができない状態。安心して過ごせる場所がない状態。そんな状態を強いられる。自分に降りかかったら、それを許せますか。
今日の本は、坂木司さん、ホリデー・イン、です。ホリデーシリーズのサイドストーリー短編集です。ワーキングホリデーは映画化もされてます。
#kokkoさんの今日の本 #坂木司 #ホリデー・イン

元ヤンキーの大和と小学生の息子・進の期間限定親子生活を描いた「ホリデーシリーズ」のサイドストーリーです。ジャスミンの優しさ、器の大きさを改めて感じることが出来た一冊でした。

【こういう大人もいるんだ】
こういう大人がそばにいたなら・・・
きっともっと勇気を出せた。
「子どもは大人に助けてもらわなければ生きていけないもの」
そう信じ込み大人の世界に反抗する力もなく、
自分の意見を押し通すこともできずにいる、
、、ということにはならなかったろう。
進くんは、ほんとうに周りに恵まれている。

もちろん進君自体がすごく頑張っているからでもあるけれども、
大人にしたら簡単なことが、こどもにしたらとてもとても難しいことが多いのだ。

その一歩を踏み出すのにどれだけ勇気がいる事か。
その一歩を踏み出す背中を押してくれる大人が、
いるかいないかで、きっと人生が変わるだろう。

【あたしは、率直と信用を愛する】
ずっと誰かに「大丈夫だ」と言いながら生きてきたの?
「安心しろ」と言いながら、誰かを遠ざけてきたの?
フランスのことわざに
「素敵な靴は、素敵な場所へ連れて行ってくれる」ってあるの。
出会っては別れ、また出会う。
くるくると回るメリーゴーランドみたいな時の中で、あたしは今日も素敵な靴を履く。

【僕たちは、最高のチームだ】
母子家庭って言葉は好きじゃない。
なんだかすごく「かわいそう」を誘う言葉だから。
「進と私は、最高のチームね」そうお母さんが言ったとき、
「ああ、これだ」と思ったんだ。

母子家庭でもふたり家族でもない、”二人で結成したチーム”だ。
だって僕らはずっと、二人で戦ってきたんだから。
流れるようなコンビネーション。
お互いできることを、できる分だけやる。
できなかったことには文句は言わない。
それがチームメイトとうまくやるコツだ。

でも、それを僕が乱した。
お父さんに会いに行こうと思ったから。

でも、哀しそうな顔をしていたけれど、
でも、お母さんはダメだといわなかった。
でも、いざ一人でお父さんの職場まで行こうとすると、
なぜか、足がすくんで前に進めなかった。

足がすくんでいたら、近くで声がしたんだ。

「せめて、見ていきなさい。会わなくてもいいから」
「ここまでくるのに、どれだけ頑張ったの?
 どれだけの気持ちを振り絞って、お母さんとお話したの?」
「帰るのは簡単、でももう前と同じには戻れない」
「もしここで帰っても、あなたはまたここに戻ってくるわ。
 そして同じことを繰り返す。
 そんなことをして時間が過ぎていく・・・きっともっと会いたくなるわ」
「だからせめて、見ていきなさい」
そう言ってくれた大人がいた。

すっと力が抜けた。勇気がわいてきた。
ああ、僕は幸せだと思った。
泣いて会わずに帰らなくて良かった。
ずっと後悔しただろうから。
だから、だからね、僕を支えてくれた大人たちに感謝したい。

ほんとうにありがとう。

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