不動産のお話63(斜線制限:隣地斜線②緩和ルール其の一)

斜線制限は、高さを規制するためのルールです。ある点から斜めに線を引き、その範囲に建物が収まるように設計します。
斜線制限は、「道路斜線」「隣地斜線」「北側斜線」の三種類です。
道路斜線は、基本的にどこでも適用。
隣地斜線は、低層・田園以外適用。
北側斜線は、低層・田園・中高層エリアのみ適用。
今回は、前回に引き続き、斜線制限のうち「隣地斜線制限」の斜線制限の緩和のルールについてお話しできたらと思います。


隣地斜線の緩和


隣地斜線の緩和は、主に下の四つがあります。ひとつづつ見ていきましょう。

  • セットバック緩和
  • 水面緩和
  • 高低差緩和
  • 天空率緩和

セットバック緩和


隣地境界線よりセットバックさせた場合、本来の隣地境界線より外側に、隣地境界線があるものとみなして、斜線制限を適用する緩和措置のこと。つまり、隣地境界から離れた距離(後退距離)の分だけ、隣地斜線がスタートする位置をずらすことができるということです。建物が隣地境界から離れれば、それだけ隣地に圧迫感や影を生じさせにくくなるので、制限が緩和されるのです。

・20mもしくは31mを超えた部分がセットバックしていたら緩和が使える
(20mもしくは31m以下はセットバックしてなくて良い)

建物に庇があるときは、隣地境界から庇までの距離になります。


水面緩和


隣地が「水路や川・公園や広場、など」であった場合に受けれる緩和措置のこと。

水面緩和は、隣地が「水面」または「公園や広場」または「これらに類するもの」であった場合に、その幅の1/2だけ外側に隣地境界があるとみなして緩和します。水路や川・公園や広場のように、十分解放されている場所は圧迫感や影が気になりにくいので、制限が緩和されるのです。

まとめ

  • 隣人の日照や採光、通風等、良好な環境を保つため建築物の高さを規制したルール。
  • 隣地境界線上に一定の高さをとり、そこから一定の勾配で記された線(=隣地斜線)の範囲内で建築物を建てる。
  • 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域では、絶対高さの制限が設けられているため、隣地斜線制限は適用されない。

次回は残りの二つの緩和についてお話しできたらと思います。

 

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