不動産のお話42(土地の評価額②基準地価ってなに)

不動産の価値を決める基準となる指針には、「路線価」「基準地価」「公示地価」「実勢価格」があります。
今回は、「基準地価」についてお話しできたらと思います。


基準地価って何?


都道府県地価調査により公報された「基準地」の価格のこと。

都道府県地価調査は、国土利用計画法による土地取引の規制を適正に実施するため、国土利用計画法施行令第9条にもとづき、都道府県知事が毎年9月下旬に公表する土地評価のことです。

評価の対象となるのは、全国の約3万地点の「基準地」です。都道府県地価調査では、毎年7月1日を基準日として各基準地につき1名以上の不動産鑑定士等の鑑定評価を求め、これを審査・調整し、毎年9月下旬に公報する。この公報された価格を「基準地価」といいます。一般の土地取引のほかに、地方公共団体や民間企業の土地取引の 目安として活用され、「都道府県調査地価」とも呼ばれます。


基準地価の読み取り方


基準地価は、国土交通省HP内の専用ページにて、国土交通省地価公示(公示地価)とともに検索することができます。

また、詳細~大字の縮尺の地図で地価公示・都道府県地価調査の地点が地図上で確認できる土地総合情報システム」(不動産取引価格情報検索)もわかりやすく便利です。

過去の発表資料については、同じく国土交通省サイト内の都道府県地価調査関連資料が一覧となった下記ページをご参照ください。 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000044.html

※最新の基準地価の概要、全国・三大都市圏・地方圏といった地域別の変動率や平均価格、地価変動率の推移、上昇率順位表のほか過去の数値など、さまざまな情報を閲覧・ダウンロードすることができます。


基準地価からの実際の取引価格は?


基準地価は、土地取引の価格審査を適正かつ円滑に進めるために、土地の適正な価格を知るための指標となるもので、実際の売買価格(実勢価格)とは異なります 。

例えば、売り主や買い主にとっては、その土地に建っている建物によって希望価格が変わることもあるはずです。しかし、基準価格は調査地点に建物があっても「更地として」鑑定され、土地の使用目的や土地取引での事情は考慮されません。


基準地価と公示価格の違いは?


基準地価は、国土交通省が実施する「公示価格」と、手順・評価方法・内容などが似ていますが、次のような違いがあります。

【基準地価と公示価格の相違点】
基準地価 公示価格
基準日 7月1日 1月1日
実施機関 都道府県 国土交通省
基づく法律 国土利用計画法 地価公示法
発表日 9月下旬 3月中旬
対象地域 都市計画区域内外の住宅地、商業地のほか、工業地、林地なども含む 都市計画区域内外の住宅地、商業地
評価する不動産鑑定士 1人以上 2人以上

基準地価は、1月1日時点で算出される公示価格の半年後に発表されるため、地価の速報値として公示価格の補完という役割もあります 。

なお、国税庁が7~8月に公表する「路線価」(相続税路線価)は、主要な道路に面した土地が対象で、相続税や贈与税の算定に使われます。前回の「路線価ってなに」を参考にしてください。

※補足※

公示地価:土地を売買する際の適正価格の指標であり、土地が売買される際は公示地価を参考に価格が設定される
基準地価:土地を売買する際の適正価格の指標であり、固定資産税評価額の指標にもなる(固定資産税評価額は基準地価の約80%)
路線価:地の相続税や贈与税を算出する際に役立てられ、公示地価の約80%を目安に設定される

公示地価 国:国土交通省:一般の方などが土地を売買する際の適正価格の指標
基準地価:全国各地の都道府県:一般の方などが土地を売買する際の適正価格の指標
路線価:国税庁:土地の相続税や贈与税を計算する際に役立てられる

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