不動産のお話11(一戸建てを購入するときに見たいポイント)

一生に一度の大きな買い物であるマイホーム。一戸建ての購入を検討するときには何に気をつければ良いのか、あらかじめ知っておきたいポイントを今回はお伝えできればと思います。

頻繁に大きな地震が発生している日本。住宅を買うときにも、その耐震性能が気になりますよね。
【「新耐震基準」と「旧耐震基準」の違い】
一般的に、1981年5月までの耐震基準を「旧耐震基準」、それ以降の耐震基準を「新耐震基準」と呼んで区別しています。
◎「旧耐震基準」とは
1950年の建築基準法制定により、国内のすべての建築物に耐震設計が義務付けられました。その規定は日本各地で大きな地震が起きるたびに何度か強化されたものの、耐震基準の内容はおおむね「震度5程度の地震に耐えること」を想定したものにすぎず、それより大きな規模の地震は考慮されていません。
◎「新耐震基準」とは
1978年に発生した宮城県沖地震を経て、1981(昭和56)年6月に耐震基準が大きく見直されました。木造住宅における耐力壁の量の規定などが見直され、基本的に震度6強~7程度の大地震でもすぐには倒壊・崩壊せず、人命が損なわれるような壊れ方をしないことが想定されました。

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【耐震等級の目安】
2000年10月にスタートした「住宅性能表示制度」による「住宅性能評価書」では、耐震性能が等級1から3に分かれています。新築一戸建てのすべてが「住宅性能評価書」を受けているというわけではありませんが、評価書があるときはその内容をしっかりと確認しておきましょう。

ちなみに、国土交通省によると「住宅性能評価書」を受けた新築一戸建ては、「耐震等級3」の評価が多くの割合を占めています。また、中古一戸建てでも制度開始後に建てられていれば、建築当時の「住宅性能評価書」が交付されている場合もあります。

参考:国土交通省「新築住宅の住宅性能表示制度ガイド」


■耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)
等級3 極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施行令第88条第3項に定めるもの)の1.5倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度
等級2 極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施行令第88条第3項に定めるもの)の1.25倍の力に対して倒壊、崩壊等しない程度
等級1 極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施行令第88条第3項に定めるもの)に対して倒壊、崩壊等しない程度

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【住宅の工法】
2×4(ツーバイフォー)工法はもともと壁の量が多く釘でしっかりと固定するため、地震には比較的強いものとされています。また、住宅メーカーによるプレハブ工法では独自の耐震技術を採用しているケースが多いでしょう。在来木造工法は2000年以降の建築かどうかが大きな節目となります。

◆「2×4(ツーバイフォー)工法」とは
一般の住宅で用いられることの多い「枠組壁工法」は、2インチ×4インチの規格化された部材を基本とすることから「ツーバイフォー」と呼ぶことが一般的です。枠組部材に構造用合板や石こうボードを張り付けたパネルを組み合わせて床、壁、天井を造っていくため、工期を比較的短くすることができ、耐震性、耐火性に優れるというメリットがあります。

◆「在来木造工法」とは
日本で最も普及し、歴史も古い工法ですが、時代に合わせてさまざまな改良が加えられています。鉄筋コンクリート造の基礎のうえに木材で土台を造り、柱や梁を組み合わせた骨組み(軸組)に床、壁、屋根を取り付ける工法です。間取りなど設計の自由度が高いほか、増改築工事が比較的容易にできるなどメリットも多い工法です。

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【経年劣化の状態】

中古一戸建てでは経年劣化の状態にも注意しなければなりません。所有者のメンテナンス状況にも大きく左右されるため、しっかりと確認することが大切です。耐震性能に影響を及ぼす主な経年劣化には次のようなものがあります。

・ 壁や基礎のコンクリート部分や内壁に大きなヒビ、亀裂がある
・ 室内に雨漏りの跡がある(壁の中の見えない部分が腐っている可能性)
・ 室内の扉や窓、玄関など建具のたてつけが悪い(家や基礎に傾きが生じている可能性)
・ 床下にシロアリ被害がある

【一戸建ての形状】
あちこちデコボコしたような形状では、地震の際の揺れが不均一になり、負荷が一点に集中して損傷につながることもあります。1階よりも2階が出っ張っている、あるいは四隅が出窓などになっていて柱や壁が配置されていないなどの場合も注意しなければなりません。

【増改築の状況】
何度も増改築工事を繰り返していると、構造上で弱い部分が生じている可能性もあります。建築確認が必要な増改築工事の際に申請をしていなければ違反建築物の可能性も疑われるので、売主や営業担当者から、書類をしっかり見せてもらうことも必要です。
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新築にするか、中古にするか、予算によっても迷うところです。どちらを購入するにしてもマイホームですので、しっかりとチェックしたうえで購入したいですね。

#不動産のお話 #住宅購入時のポイント

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