今日の本183(東京ピーターパン)

おはようございます。寒さがまだまだ続きますね。関東や日本海側では大雪で大変なことになっているようです。このあたりはまだ積もったりはしていませんが、今年は注意が必要そうですね。天気予報に注意しておきましょう。
今日の本は、小路幸也さん、東京ピーターパンです。
#kokkoさんの今日の本 #小路幸也 #東京ピーターパン

【ナモナキラクエン】
音楽好きの間で゛神゛とうたわれる、伝説のギタリストがいた。
家族も友人も、何もかも捨ててしまった。
今はホームレスとして暮らす御年60歳のシンゴ。
ギターを弾いて小銭を稼ぎ、公園で寝泊まりしている。

シンゴの密かなファンであり力になろうとする、交番勤務の警察官、吉川52歳。
実は昔はミュージシャンになりたくてドラムをたたいていた時期もあった。
巡回がてらシンゴの様子を見に行くのが日課である。

メジャーデビューを夢見てバイトに明け暮れるバンドマン小嶋(コジー)26歳。
バンドのメンバーが行方不明になり、その代理を探していた。
「ホームレスっぽいめちゃめちゃギターのうまいおっさんがいる」
という情報をつかみ、シンゴを探すことにした。

このまま終わりの来る日まで、この生活を守りつづけたい。
そう、思いながら、毎日をひっそりと暮らしていた。
ただ、大好きなギターが弾けたらそれで満足だったのに。

だけど、ある日、平穏が崩れてしまう事件が起こった。
公園の少し離れたところで、交通事故が起こったんだ。

平凡な毎日を過ごす営業マン、石井34歳。
車を運転していたら、何かにぶつかる振動があった。
急に恐ろしくなり、現場から逃げてしまった。
錯乱状態になり、やみくもに走った。
ある公園まで来たとき、シンゴとコジーと鉢合わせてしまい・・・
こともあろうことか、シンゴの財産ともいえる荷物を奪って逃げてしまう。

シンゴは今の生活を守りたい一心で、石井を追いかける。
石井を追いかけるシンゴを、コジーも追いかける。
三人が辿り着いた先は、お寺の土蔵だった。

自宅(寺)の敷地にある土蔵に引きこもっていた高校生、聖夜16歳。
いきなり知らないおっさんたちが自分の聖域にどかどか入り込んできた。
自分ちに人がいきなり入ってきたら驚くのは当たり前だ。
誰だよおっさんたち。
とにかく事情を把握しよう。
ということで、皆で話し合い。
自己紹介から始まり、事情を説明し、内容を整理する。
シンゴは顔見知りの警察官の吉川に電話をし、助けを乞うことに。
ぎゃーぎゃー騒いでいると聖夜の父親(住職)に、夜中に何事だ!と怒られた。
当たり前である。
そのとき、とっさに口について出たのが、
「実はバンドを組んでいて、メンバーで曲の打ち合わせ中」
という、嘘だった。

バラバラで接点のない五人が顔を合わせたその夜。
嘘から出まかせでできたバンド。
一夜限りのバンド「ラクエン」が紡ぎだした曲。
「ナモナキラクエン」
たった一曲だけのバンド。
「ラクエン」がもう一度集まるようなことはもうないだろう。
でも、その記憶はきっといつまでも消えることはない。

年齢も見た目も職業もバラバラの「ラクエン」のメンバーたち。
彼らは、まるでピーターパンのようだ。
子どもの心を持ち続ける大人。
子どもは、好きなものは好きと言い、
それに夢中になり感動を素直にだす、
そんな心を持ち続ける。

でも、大人になると諦めることを覚え始める。
だけど。。。
大人になっても、子ども心を持ち続けたっていいじゃないか。
いつまでも自由で、いつまでも夢中になるものを持ったって。
いいじゃないか。
この本を読めば、きっとそう思うだろう。

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