不動産のお話68(日影制限)

今回は、斜線制限の延長として、日影制限のお話をできたらと思います。


日影規制とは?


日照を確保することを目的とした建物の高さ制限 です。

日影規制(にちえいきせい・ひかげきせい)とは、日影による中高層の建築物の制限」の略で、冬至の日(12月22日ごろ)を基準にして、一定時間以上の日影が生じないよう、建物の高さを制限するものです。建築基準法のひとつで、冬至の日(12月22日ごろ)を基準として、全く日が当たらないことのないように建物の高さを制限する規制です。周囲の日照を確保して、心地よい暮らしを阻害することを防ぐ目的で決められています

冬至に設定されているのは、その日が一年で最も影が長くなる日だからです。冬至の日の午前8時から午後4時まで(北海道のみ午前9時から午後3時まで)の間、その場所に一定時間以上続けて影を生じないようにしなくてはなりません。

規制を受ける建物は建てる場所の「用途地域」と「高さ」から決められています。

 

「第一種低層住居専用地域」、「第二種低層住居専用地域」は

「軒の高さ7mを超える建物、または地階を除く階数が3階建ての建物」、

それ以外の地域については

「建築物の高さ10mを超える建物」などとなります。

 

軒の高さとは土地面から屋根組みまでのことで、屋根の頂点ではないことに注意が必要です。一般的な木造一戸建て住宅であれば、軒高7mを超えるものは3階建てと考えてよいでしょう。

※地域によって環境や土地利用事情が異なるため、自治体の条例で指定されていることもあります。

どの時間にどのくらい制限があるのかというのは、「5h-3h/4m」のように表記されます。「5h-3h」は、敷地境界線から5~10mの範囲では5時間まで、10mを超える範囲では3時間まで日影になってもよく「4m」は測定する高さが地盤面から4mであることを表しています。

用途地域別の規制(建築基準法第56条の2)


複数の日影規制の制限がある場合


建物の影が落ちるエリアの中で、複数の日影規制の制限がある場合は、最も厳しい制限を受けます。そのため物件調査の際は、対象物件から約50m圏内の用途地域と日影規制を調べます。東側・北側・西側の日影規制が調査物件の規制より厳しい場合は、そのエリアに影が落ちる可能性があるためです。


同じ敷地に2つ以上の建築物がある場合


同じ敷地に2つ以上の建築物がある場合は、1つの建築物とみなして規制を適用され、建物が異なる用途区域にまたがる場合で、どちらかに日影規制がかかる場合は建物全体に適用されます

日影規制は厳しそうにみえますが、5m以内にある隣地の日照は考慮されません。また、制限を受ける建築物は、軒の高さが7mを超える建築物または地階を除く階数が3以上の建築物のため、一般的な2階建ての一戸建ては規制されない場合がほとんどです

 

コロナ感染症対策

コロナ感染症対策として検温・マスクの着用・手指の消毒等のご協力をお願いいたします。万全の対策をしてお待ちしています。ご安心してご来場・ご来店ください。