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2020年12月11日

今日の本71(過ぎ去りし王国の城)

今日の本は、宮部みゆきさん、過ぎ去りし王国の城、です。
宮部みゆきさんは、速筆な作家さんで、ジャンルも、ミステリ、ファンタジー、ホラー、時代劇など、多彩なジャンルを書かれる作家さんです。映像化などメディアミックスされた作品も多数。
高校の時、「宮部みゆきが一番好きな作家だけど、新刊の出るスピードが速いからお金がいくらあっても足りない」そう話していたクラスメイトがいたんです。その時代ブックオフなんて便利なものはなかったですし、その子が買って読んでいたのは確かに新刊であったので、とても羨ましかった記憶があります。ハードカバーの新刊なら一冊1500円オーバー、文庫なら一冊700円~1200円ほど。それを月に十数冊も。自分も読みたければ、図書館に通えばいいお話だったのだけれども、新刊は図書館に予約しても、だいたい人気なものなので二か月三か月待ちが普通、なのですぐ読めるわけでもない手に入りにくいところが悲しい現実です。すべての作家さんの作品が図書館にあるわけでもなかったですしね。
私は今でも古書か新刊が読みたければ図書館という具合ですね(笑)なので宮部みゆきさんは、そんな記憶もあって、実は苦手としていた作家さん。でも宮部さんの、子どもが主人公のファンタジーは割と好きなので、今回はこの本をチョイスしてみました。
♯宮部みゆき ♯過ぎ去りし王国の城


【変に子どもらしくない子どもたち】
宮部さんの作品に出てくる子どもはたいてい、子どもらしくない子どもたちです。家庭が複雑だったり、学校でいじめられていたり、達観しすぎていてクラスで浮いていたり、誰にも助けを求めず一人で立ち向かい打ち勝とうとする子どもらしくない子どもたち。
「人生は永いって思ってなきゃ、半日だってやり過ごせない」
それを背負い、そして手助けを求めない、自分の重荷は自分で背負うから、かまわないでくれ、そのかわり、お願いだから、重荷に歪む顔をみないでくれ、と。そういう子どもたちが主人公です。
物語は、中学三年生の男の子が、ある日銀行に用事があり行ってみると、掲示板に子供たちの「じぶんのおうち」絵が張り出されていたのを見つけるところから始まります。一枚だけ名前もない展示の端っこにテープで貼り付けただけの紙切れに描かれた絵があった。そこにはヨーロッパの古城が描かれていた。とても緻密に。見とれていたら銀行で順番が回ってきて、終わった後に見に行くと絵がなくなっていた。良く探すと床に落ちて人に踏まれていたので、なんとなく家に持って帰ってしまった。
その絵は奇想天外な出来事を起こす絵でした。自分のアバターを絵に書き込むと、生きた人間が絵の中の世界に入れる。外からのショックで現実に引き戻されたとき、ひどい空腹と倦怠感、吐き気、体の激痛、などダメージを食らう。絵は人の生気を吸い取り生きている、スーパーナチュラルな絵だった。絵に入ったとき、絵の中に一人の女の子が取り残されているのを見た僕は、その子を助け出そうと思った。どうしたら助けられるのか。いったいその子は誰なのか。何度も絵に入って自分の身は大丈夫なのか。入って戻ってこれなくったら?それでもほおって置けない。僕はあの女の子を助けられるのか。。。絵が苦手な僕は、絵のうまいクラスメイトの女子とプロの漫画家のアシスタントのおじさんに協力してもらいながらその絵を調べることにした。すると、10年前の現実の世界で起きた少女の失踪事件が関係していることがわかり、彼女を助けることは現実を変えてしまうことだと知ってしまう。そこで、彼らの意見は三つに分かれてしまいます。彼らは最終的にはどう動くのでしょうか?
あなたならならどうしますか?人それぞれの逃げ方と向き合い方があります。彼らのうちの誰の選択が、あなたにとって共感できるでしょうか。

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