LFORT BLOG

2020年8月29日

今日の本45(物語のおわり)

おはようございます。今日明日は猛暑日です。熱中症に特に気を付けましょう。家の中でも熱中症になりますので、こまめに水分補給等してくださいね。

今日の本は、湊かなえ、物語のおわり、です。短い小説の書かれた原稿【空の彼方】が、人から人へとリレーされていく物語です。受け取った人物は物語の続きを自分なりに想像し、旅先で出会った見知らぬ人に原稿を渡していきます。原稿の行きつく先はどこでしょうか?
♯湊かなえ ♯物語のおわり

【空の彼方:おわりのない物語】
「主人公、絵美は山間の小さな町に住んでいる。パン屋さんを営む両親は一年中休みなく働いているため、絵美は町から出たことがなく、日々、山の向こうの世界に想像を膨らませていた。あるとき絵美は転校生の道代から小説を書くことを勧められる。絵美の書いた物語を道代はおもしろいと読んでくれるが、小さな町で生きる絵美は自分が小説家になれるなどとは夢にも思っていなかった。やがて、道代が転校することになり、絵美は横溝正史の本を三冊受け取る。絵美と推理小説の出会い、そして、ハムさんとの出会いだった。絵美はハムさんとの遠距離恋愛中、推理小説を書いて送っていた。それを松木流星の弟子になったという道代にも送ったところ、松木が絵美の才能を認めており、弟子になるために東京に出てこないかと言っている、という手紙が返ってきた。天にも昇る思いだったが、絵美はすでにハムさんと婚約している身だった。三年時間をください、とハムさんに頼む絵美。しかし、ハムさんの理解を得ることはできなかった。絵美の両親でさえ、ハムさんの味方だ。しかし、空の彼方の世界を見てみたいという思いが溢れ出した絵美は、誰にも内緒で駅へ向かう。そこには、ハムさんの姿があった」物語はここで終わる。
この物語に続きはない。【空の彼方】は、旅先で人から人へと渡っていきます。受け取った人が物語を読んで、続きはどうなるのだろうと想像する。おわりのない物語は旅のお供にするにはちょうどいいのかもしれません。あなたなら、どういう結末を描きますか??
北海道を舞台に、原稿のリレーが行われます。たくさんの人がたくさんの答えを出し、どれもその人にとっての正解なのだろうと思います。誰もがすぐに答えを見つけたわけではありません。悩み、自分と重ね合わせて答えを出す。十人いれば十の答えがある。自分だけの答えを見つけたいと思える物語です。
物語を読んだ何人かの出した答えはこんな感じでした。あなたはどれに共感できますか?
●フェリーに乗った一人旅のご婦人:自分が主人公なら夢を叶えるチャンスを逃したくない、自分にはリスクを負ってでも叶えたい夢があるから。
●カメラマンの夢をあきらめた男性:夢を叶えることを家族に理解されないのは自分も主人公も同じだ。だから本当は物語の結末が知りたかったが、肝心な部分の回答がない。夢を叶えて欲しいと思うが、読む限り主人公には覚悟が足りず叶いそうにもない。挫折しても泣いて帰れる場所があったら帰ればいい。夢を諦める理由ができて、どこか安堵していた自分がいたのを感じていたから。
●自転車で旅する少女:作家志望なのが主人公と同じだが、就職先はテレビ局。主人公が本気で物語を作りたいのなら、そのまま突き進めばいいのにと思う。自分もフィールドが違っても面白い話を作る人になると決めたから。
●旅するライダーで娘の進路で悩む父親:娘が大成するかもわからない芸術の世界に、なぜリスクを負ってまで進みたがるのか全く理解ができない。夢を叶えるために必要な努力とはなんなのか。リミットをきちんと設けるのか。夢を叶えるために、何を守り、何を失う覚悟ができているのか。物語を読み、続きを考え、娘が質問に全部答えられたのなら、笑顔で全力で応援しようと思った。

カレンダー

11月 2020
« 10月    
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

アーカイブ