LFORT BLOG

2020年8月27日

今日の本43(俺俺)

おはようございます。朝と夕方はすこし熱風が柔らかになってきましたね。秋の気配が少しは感じられるようになってきたでしょうか?まだまだ暑いよ、という声も聞こえてきそうですが。梅雨が長かったので夏が待ち遠しかったですが、今は秋が待ち遠しいです。
今日の本は、星野智幸さん、俺俺、亀梨和也さん主演で映画化もされている一冊です。
♯俺俺 ♯亀梨和也

偶然拾った携帯電話で、オレオレ詐欺を面白半分でやったことから物語は始まる。
自分が自分であるという現実、それは何によって誰によって保障されているのだろうか。今や世界中が他社とのつながりを求めている。
ひとりは嫌だ。つながっていたい。自分の悲しみはあなたの悲しみで、自分の喜びはあなたの喜びになる世界。その快感を求めて、日々世界中に発信し続ける。
匿名世界。ここでは皆が同じランクでいられる。同一化というぬるま湯のユートピアだ。誰もが誰もになり得る世界。誰にでもなれる。自他との区別がつかなくなり、それとともに自己が氷解していく。あまりの心地よさに、ずぶずぶと沈み込む。沈み込みすぎると、もう浮き上がってくることはできない。
俺俺俺俺俺俺。
気がつけば周りは俺だらけだった。
最初は良かったんだ。
何も言わなくても自分のすべてを理解してくれる存在ばかり。気を使わなくていい、だって俺らは俺だから。なんて楽なんだ。なんて楽しいんだ。いいことばかりだった。
でも色んな俺に会うにつれ、俺らの中には嫌な奴もいた。でもそいつも俺自身なんだ。俺のダークな部分を目の前で見せつけられる。鏡のように。許せる自分と、許せない自分。自分の中にはそれが共存しているのが普通だ。だけど、、、許せない自分だけでできている俺、、、耐えられなくなり、俺ら同士で削除が始まる。自分に追われ、自分に怯えて逃げ回る。想像しただけでもずいぶん怖い。いや、めちゃめちゃ怖い状況。
俺はいったい誰なんだ?「本当の俺」は、俺らの中の誰なんだ?俺は俺じゃないのか???
行き当たりばったりで無意味で内容のない会話。その場を取り繕うだけの会話。そんな虚ろな言葉をベースにした人間関係なんて、いつでも割れてしまう薄い氷のようだ。そんな絆しか作れない、作ってこなかった、その結果が俺俺の世界。ハマりすぎると、最後には自分自身までも信じられなくなる。
俺俺の世界はリアルに起こり得る。決して他人事ではない。忘れてはいけない、自分がだれかってことを。忘れてはいけない、誰にも代えられない唯一無二の存在だってことを。信じることを。
忘れたころに俺俺の世界はやってくる。出番は今かと待ち受けている。

映画化もされています。亀梨和也さんが演じる33人の俺。コミカルに思えて、かなり怖いです。

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