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2020年8月20日

今日の本40(こうふくのあかの)

おはようございます。今日は風もなく、暑さが一層感じられますね。水分補給しっかりしてくださいね。小学校へ通う子供たちは元気いっぱいです。見ていると頑張らないとなぁと思うほどパワーがありますね。自宅にいることが多いかと思いますが、運動不足にならないように、涼しい時間帯に軽い散歩などなさってください。
今日の本は、西加奈子さん、こうふくのあかの、です。仕事のできるプライド高めな既婚男性のお話です。
♯こうふくのあかの ♯西加奈子

39歳のサラリーマンが主人公。
自分で言うのもなんだが、俺は、仕事も順風満帆、部下からも慕われる完璧な人気者の上司である。従順で穏やかな美人の妻を持ち、何か足りない・・・と言われれば、子供がいないことだ。結婚生活が長くなるにつれ、妻の野暮ったいファッションや面白みのない会話や少々馬鹿なところが目につき始めたのがケチの付け所だったのかもしれない。そういうのは往々にしてあることだ、気にすることもない、逆に仕事が忙しい間に自分が火遊びすることすら思いもつかない凡庸な妻だから安心しきっていた。
なのに・・・・。
「私、妊娠しました…子供は悪くありません…産もうと思います」
と突然妻に言われ、俺は盛大にコケ、狼狽し、思考停止になった。冷戦沈着で完璧なはずの俺が、どーしてここまで動揺したのか。妻とはもう三年も何もなかったからである。
嫉妬なんて馬鹿げていて無益なものはない、常々そう思ってきた。「俺はお前の不貞などきにもしないうえ、その子を産むことを許し、かつ、自分が父親になろうとしている、この、心の、余裕を、人間の、大きさを、見よ!!」と、これ以上惨めにならないためにアピールしている、という、それも屈辱だ。
妻はただ自分に触れてほしかった、ただただ猛烈に愛しているのに俺が触れてくれないのに鬱々とし、ただただ欲しかっただけだったのだ。旅行先のバリ島で、誰とも知れない奴にヤラれた。でも心の底ではそうされることを女としてずっと望んでいた、相手が違っただけだった。
俺は妻を許せるのか?…。
女性の立場と男性の立場から見ると、ずいぶん違うお話に見えるだろう。
仕事ができたかもしれないけれど、養ってやってる自分がいなければ生きていないと思っている、高慢な男。
それでも愛し続けそばに居続けた、従順な女。
「大切なもの」から、「ただ居る」存在になってしまったときに、言い合になってでも、一緒にキチンと向き合うべきだったのかもしれない。その時はお互いツライかもしれない。でも本心をぶつけ合えないのでは絆はうまれない。
結末は、どうしようもなく壊れて崩れていってしまうのか…と思ったが、何かが、二人を、守ったのだろう。「キッカケ」があったおかげで、惰性的な生活を続けていくよりも、二人はずっと幸せになれたのかもしれない。
気がつくのが遅かった、もっと考えるべきだった、と後悔して足が止まるのであれば、歩みは遅くとも今からまた同じ方向を見て二人で一緒に歩きだすほうが良い結果を生みだすのだろう。
自分自身で過ちに気がついたのなら、自分を褒めよう。
褒めたら次に態度を改めよう。
相手を慈しみ、これまで以上に大切にしよう。
長い人生だから。
許すことも大事なのだろう。
それがたとえ難しいことであっても。
夫婦のありようを考えさせられる一冊です。

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