今日の本168(何様)

おはようございます。今日は11月11日、1が四つ並ぶとして、十年位前から中国では、独身の日、おひとりさまの日、として、国を挙げてのセールが行われています。毎年ド派手にイベントなどが開催されますが、今年は少し勝手が違うようです。脱炭素を目指している中国、段ボールのリサイクル等、エコな買い物、を押し出してのセールとなるようです。
今日の本は、朝井リョウさん、何様、です。直木賞を受賞された「何者」に潜む謎が詰め込まれた一冊です。6篇からなる短編集です。
#kokkoさんの今日の本 #朝井リョウ #何様

【むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった】
学校の備品を壊すことも。親に暴言を吐くことも。
全てむしゃくしゃしてたから。

優等生の私と、劣等生の妹。
妹は夜な夜な、私が口にしたこともないような言葉を両親にぶつけていた。
母は、私に見せたことのない視線で妹を見つめ、
父は、私には絶対に向けない感情で妹を叱っていた。
たとえそれが辛く苦しいものであっても、私の知らない表情をいくつも見せていた。
妹が頑張れば、私が今までどんなことをしたって引き出せないような笑顔で喜んだ。

両親の表情が喜怒哀楽の四種類あるとして。
私が引き出すのは「喜」と「楽」。
妹が引き出すのは「怒」と「哀」。
ふたり揃ってやっと全てを引き出しているものだと思っていた。

妹は両親の「喜」「怒」「哀」「楽」全てを引き出した。
私よりも、両親のたくさんの表情を知っている。
私の知らない、両親の色々なことを、知っている。

両親にあんなにも迷惑をかけていたのに、母や父の中身を理解しているのは妹のほうだ。
妹みたいに間違わないように。
妹みたいに両親を悲しませないように。
子どもの頃から正しくあるために頑張ってきた私。
パソコンの画面に並ぶ、圧倒的に正しい諸々。
悲しきかな、私の人生に似ていた。

むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった。
でもそれに気がついたとき、若さに任せてアクセルを踏み込めるほど、私は子どもではなかった。

親としてではなく、ひとりの人間として、あの人たちとぶつかったことがない。
だから、何もわからない。
たから、何も知らない。

むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった。
自分のブレーキを一度壊して、己を未知の領域に飛ばそうとあがく。
そんな姿は滑稽でみっともなくて・・・笑う人がいるかもしれない。
でも、わたしは笑えない。笑わない。
同じような経験があるから。
わたしは、どんなに滑稽でみっともない姿だとしても絶対に彼らを笑わない。

【就活後のその先】
6篇のお話は、何者のその先が描かれています。就職活動は活動することや内定をもらうことに目が行きがちですが、就職したらその会社で働くのだ、ということを忘れてはいけません。働くという事。想像していたのと違っていた、想像していたより良かった、希望の職種につけなかった、やりたいことがやれなかった、思っていた仕事と違うことをやらされる、やめたい、続けたい、、、、。そんな仕事を始めた後の、仕事をすることはどういうことなのか、続けていくことはどういうことなのか、あの頃(何者)の自分とどう変わったのか、それぞれの目線で描かれています。
きっと共感できるお話があると思います。
あなたはどのお話に心打たれましたか?

映画化された「何者」
【生きるとは、何者かになったつもりの自分に裏切られ続けることだ】

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