今日の本154(瑕疵借り)

おはようございます。今日は祝日です。きれいに晴れましたね。お出掛け日和ですが、三密を避けて、休日を楽しんでくださいね。
今日の本は、松岡圭祐さん、瑕疵借り、です。四つの不動産賃貸物件のお話です。事故物件サイトで有名な、大島てるさん、推薦の一冊です。
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【瑕疵借りとは?】
賃借人は死んだり事件や事件が起きたりして、瑕疵告知義務(瑕疵についての説明義務)が生じた物件にあえて住む者。瑕疵の告知義務を執行させるために、裏で大家や管理会社がこっそり依頼する。業界の隠語である。誰かひとりでも住んだとなれば、瑕疵の度合いがかなり軽減される。管理会社によっては、ふたりめの賃借人にはもう瑕疵の説明をしなくてもいいと、そんな考えのところもある。賃貸契約の二年を満了すれば、ほとんどの管理会社は問題なしとみなします。一年で大丈夫と判断することも少なくない。瑕疵借りに依頼するのは自己責任でやっているし、問いただされても絶対に認めないし、互いに見て見ぬふりをするのが通例だ。ちゃんと賃貸契約を結んで住んでいるので、通報されようが、警察が目くじら立てることはないのだ。

【ああ、気になる。この部屋の前の住人のことが!】
みなさんは、「心理的瑕疵あり」と記して入居を募集している、不動産広告をみたことがあるだろうか?瑕疵物件の情報サイトも、現に存在する。そんな瑕疵物件にまつわる四つのお話。これを読めば、前の住人がどんな人だったんだろうと気になることだろう。そんな瑕疵物件の救世主ともいえる「瑕疵借り」を専門にしたある男のお話である。

訳あり物件に住み込む藤崎は、不動産業者やオーナーたちの最後の頼みの綱。
「瑕疵借り」と呼ばれる職業である。
彼が瑕疵物件に住む期間は異常に短い。一ヶ月とか一週間とか。
住めば瑕疵の原因を軽減もしくは取り除いてくれるからだという。
業界では有名な「瑕疵借り」である。
荷物はスポーツバッグ一個、照明、カーテン、トイレットペーパー、スリッパ、のみである。
最低限それだけ持ち込めば生活できる、というレベルである。

原発で働いていた住人が、”病院”で白血病で死んだ。
家で亡くなった訳ではないのに、家じゅうを徹底的に清掃し、壁を床をはがし、全て入れ替えるという、徹底ぶりだ。柱や梁など交換できない木材は1㎝ほど削ったうえで、新たな木材を上張りする、ことまでやっている。「ただ住んでいた」、というだけで、そこまでするのだ。白血病で亡くなった原発作業員が住んでいたという事実に、不安を感じる人がいるかもしれない。気にしすぎと言われるかもしれないが、放射能汚染の可能性を隠したままでは民法上の責任を問われる可能性もあるのだ。

彼は短い期間で退去する。
ごくわずかな期間で引き払おうと後日問題が生じないからだ。
彼は瑕疵借りとして住みながら、物件の問題点を洗い出す。
「訳あり物件」にある「瑕疵」には、先の住人の「記憶」が残されている。先の住人の足跡を解き明かし、明確にし、心理的瑕疵を最小限に抑える。先の住人にかかわった人たちの胸のもやもやをも解きほぐす。知らなかったことに気がつかされて、胸を打たれることだろう。
「訳あり物件」の先の住人は、なにを想っていたのだろうか。
重たい記憶ばかりではない。思い出の積み重ね。それこそ人生だ。
幸せばかりでなくっても、これから記憶には絶えることなく家族がいる。
未来を見つめる前向きさがきっとある。
彼はそれを引きだして、前に進むきっかけを与えてくれる。
大事な人を亡くした悲しみから、
瑕疵物件という心無い誹謗中傷から、
底から救い上げるように、
前に進めるように、
彼がいてくれて良かった、、、きっとそう思うだろう。

日本では現在一人暮らしが急増しています。
孤独死が増えると「心理的瑕疵物件」も増すことでしょう。
それにどう向かい合うか。再生可能かどうか。
誰にでも明日にでも起こり得る。遠い誰かのことではないお話たちです。

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