今日の本122(空中ブランコ)

おはようございます。日差しが痛いです。今日も綺麗に晴れました。ですが、明日は大雨になりそうなお天気予報です。気圧の変化で体調を崩されないようお気を付けくださいませ。
今日の本は、奥田英朗さん、空中ブランコ、直木賞受賞作、です。前回のイン・ザ・プールからの、伊良部シリーズ第二段です。トンデモ精神科医伊良部くんは今回はどんな破天荒を演じてくれるのでしょうか?
#kokkoさんの今日の本 #空中ブランコ #奥田英朗

【サーカスに弟子入り!?】
いらっしゃーい。
という場違いな返事にも負けず、その扉を開いてしまうのは、なぜだろう。色白で太った白衣を着た医者に、やたらとセクシーなやる気のない看護師。扉を開けるとまず、注射を打たれる。ビタミン注射らしいが、病名もはっきりさせないうちに、いやだと言っても毎回注射される羽目になるのは、この病院を選んでしまった不幸な患者たちだ。伊良部くんは患者が注射を打たれる瞬間を見るのが大好き。めちゃめちゃ近くで凝視する。だから患者には必要ものないのに毎日注射を打ちまくるという性癖がある、変わったお医者様である。
まぁ、大学は裏口入学かもしれないけれど、国家試験は一応通っているのだから、頭はいいのだろう。だが、同期には、医学部の厄災、と恐れられている。大病院の跡取り息子で、子どもの相手ならできるだろうって親心で小児科に回されたのはいいけれど、患者の子供と同レベルでケンカし始める始末で、親からのクレームが殺到して、今の病院の地下にある神経科に転科した経緯のある伊良部くん。親の七光りをこれでもかと使いまくる伊良部くん。列挙しだしたらきりがないので、紹介はこのあたりにしておこう。

飛べなくなったブランコ乗りが現れると、ぼくも空中ブランコやってみようかなぁ・・・と、患者に注射を打つために、毎日患者を往診するという名目で、病院をサボってサーカスに出入りし、主たる目的だった空中ブランコの練習をしはじめた伊良部くん。恐怖心というものがないのか、あっさり飛ぶ、手を放しサポート役の手をつかむ、というところまで、たったの一週間でやってしまい、ぼくって才能あるんじゃないの~と有頂天になる。団長は伊良部くんのぷにぷにした体格と愛嬌から実際に舞台に出そうとまでいうようになる。あんた、サーカスに何しに来たんだ、患者を治す気ないだろう。
伊良部君の興味は面白いかそうでないかにつきる。
おもしろそうだと自分もどうしてもやってみたくなる。
サーカスの空中ブランコしかり、
ヤクザの若頭が来たら、ところでピストルを一回撃ってみたいんだけどね、セッティングしてよ橋の下あたりで、とねだるのもしかり、
野球選手が来たら、キャッチボールの助手をさせ、コーチを頼み、本格的に野球を始めるのもしかり、
衝動的に悪戯をしたくなる人が来たら、一緒に結構派手なニュースになるくらいの悪戯をしてみるのもしかり、
作家さんが来たら、自分も書いてみたんだけどと編集者を紹介してとねだり作品をなんとか出版させようとするのもしかり。
全部じぶんがやりたいだけじゃないか!!!
患者のことを思ってやっていることなんて、ひとっっっっつもなかったりするのだが、患者さんは伊良部くんにまとわりつかれるようになってしばらくすると、なぜか症状が和らいだり、治ったりするのだ。
先生のくれる薬のお蔭で寝れてます。なんて言っちゃうと、
ああ、あれただの整腸剤だった。ははは。
結果オーライでいいよね。イワシの頭も信心から。
ビリーヴ・ドクター。
この人には抵抗する気すら起きなくなる。
ストレスの原因を下手に話してしまうと、それを取り除くのに、闇討ちを進める伊良部くん。闇討ちをやってくれそうな人まで紹介する、結構本気でいうからこわい。再起不能にしなくても一年くらいいなくなってもらえばいいわけだし、と。いっそのこと毒を盛るとか勧めたりする。一服盛るなら薬の銘柄を教えてあげると笑顔でゆってくる。
原因の究明とその除去。
トライ・アンド・エラー。
精神医学の基本。
伊良部くんは今日も面白いことがないか探して、患者がくると大喜び。きっと患者の事なんか真剣に治そうなんて考えたことないんだろうな。でもなんだか憎めなくて、一度着た患者は必ず翌日もその扉を開いてしまう。伊良部吸引力。おそるべし。

ドラマ化、舞台化、アニメ化、漫画化、と色んなメディアで伊良部くんが登場。それだけ魅力のあるキャラクターなのでしょう。
ドラマ化(阿部寛さん主演)


舞台化

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