今日の本121(イン・ザ・プール)

おはようございます。朝から暑いですね。半そで姿のかたも最近よく見かけます。暑さ対策をそろそろし始めないと、ですね。水分補給お忘れなく。
今日の本は、奥田英朗さん、イン・ザ・プール、です。
#kokkoさんの今日の本 #奥田英朗 #イン・ザ・プール

【こいつ、本当に医者か?】
いらっしゃ~い!!
伊良部総合病院の地下にある神経科を訪ねると、甲高い声に迎えられる。この声を聴いて回れ右をしたくなるほど、怪しいことこの上ない。その扉を開けると、そこには、色白で太った白衣を着た医者がひらひらと手を振って待っている。ああ、帰りたい。病院間違えた。そう思うだろう。この男、医学博士・伊良部一郎、伊良部総合病院の御曹司だったりする。
回れ右をして帰ろうとすると、
じゃあ、とりあえず注射しようか!!
病状を聞く前に、すぐに注射を打つだと!?
しかも注射をするところをめちゃめちゃ凝視してる!?
こわっ!!!!
その後、一応診察なるものをする。それで、面白くなさそうな症状だと、一気にやる気を失う。多重人格だとか、妄想の類があるとか、そういうのなかったら、やる気がなくなる。んで、こう言う。
「言っとくけど、聞かないから」
「ストレスの原因を探るとか、それを排除する工夫を練るとか、そういうの、やんないから」
「カウンセリング?無駄だって、そういうの」
「生い立ちがどうとか、性格がどうとか、そうやつでしょ。生い立ちも性格も治らないんだから、聞いてもしょうがないじゃん」
やる気なっ!!!!
でもって、明日も来るようにいい、明日も注射を打つからという。注射をされているところを見るのが大好きな伊良部くん。
めったなことに患者が来ないものだから、せっかく来た迷える患者は逃がさない。せっかく面白いことが起こりそうなことだし、なにより注射は見れるし、絶対逃がさないように、色々必至になって世話を焼く。
プール依存症の患者が来たら、僕も泳ごうかなぁと水泳を一緒に始めたり。プールが開いてない時間に禁断症状が出ると聞けば、一緒に夜中のプールに忍び込もうとしたり。依存症を治したくて必死になっている患者さんにたいして、伊良部くんは「そのうち飽きるよ」とのほほんとしている。本当にお医者様!?治す気ある!?
綺麗なお嬢さんがストーカー被害に困っていると聞けば、ぼくがただでボディーガードしてあげるよ、ポルシェで送り迎えしてあげる、と提案したり。ただ綺麗なお嬢さんの近くに居たいだけの下心からくる提案だったりするから始末に置けない。
そんな伊良部くんですが、なんだかんだで憎めない。毎日来いと言われて、毎日通ってしまう。本当に医者か??と疑問に思いつつも、足が向いてしまうのだ。そんな不思議な伊良部ワールド。あなたもハマってしまうかも??


映画化、舞台化、とシリーズを通して色々な役者さんがトンでも精神科医:伊良部を演じておられます。

次作空中ブランコは直木賞受賞しており、空中ブランコのドラマ化では阿部寛さんが伊良部役を演じてますよ。次作に期待あれ。

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