今日の本118(いろはに匂へど)

おはようございます。久々に土日が晴れです!お天気が良いと気持ちが良いですね。お家時間が増えた昨今、自分の趣味ができた、なんて人が多くなってきたのではないでしょうか?今回は「草木染め」というのが物語に出てきます。草木染体験したことあるよ、という人も、一度読んでみてください。きっとそれは貴重な体験だったのだな、と思えることでしょう。
今日の本は、瀧羽麻子さん、いろは匂へど、です。京都が舞台です。
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【染まるんだよ誰でも】
京都・二条で小さな和食器店を営むユカリ(紫)。好きなものに囲まれて静かに暮らしていた紫の毎日が、20歳近く年上の草木染め職人・コウザン(光山)の出現でがらりとかわってしまった。らしくない自分に困り果てる。ほろ苦くて、ときどき甘い、叶うの叶わないのかわからない、恋の物語です。
自分の名前、紫。だからか小さい頃から紫の色のものに囲まれていた。子どもにとって、紫といういろは赤やピンクに比べて渋すぎる。でも妙なことに慣れなのか刷り込みなのか、だんだん愛着がわいてくるもので、いつしか紫は私の色になっていた。ちがうかな。私が紫色に染まったのかもしれない。地味だけれど美味しそうな茄子紺色、朝焼けの空のような赤紫色、こっくり深いぶどう色。どれも好きな色だ。
草木染め。あの人に会ってから興味がわいた。
葉っぱや草は黄色く染まるものが多い。自分は緑なのに。不思議。
同じ植物でも、色の出かたは季節や生えている場所によって違う。
これは春の。
日向に生えていたものだから色が濃い。
これは冬の。
ちょっとぼやけているけれど、これはこれで味がある。
草木染めは、この色ってイメージがあっても思ったとおりにはいかない。相手が生きものだから、同じ製法で作っても次も同じ色に染まるとは限らない。一本一本の木や草や花が持っているその色を、もらい受ける。まさに自然の恵み。それを大事に大事に染め上げる。これ、というものにはなかなか出会えないけれど、そこがまた面白い。
彼のどこに惹かれたのか。わからない。
でも、あの日以来、色がかわったのだ。
自分の色は自分で決める、決められる、そう自信を持っていたけれど、彼に会ってから、自信が持てなくなった。紫草は60度を超えると色が変わる。ちょっと熱しすぎたせいでいったん落ち着いているとしても、いつまた鮮やかな色を放ち始めるかわからない。燃え盛るような真紅か、まばゆい黄色か、みずみずしく澄んだ紫か。
染まるんだよ。誰でも。
染まらないなんて無理。みんな、ちょっとずつ染まっていってる。
人と触れ合い関わり合い、様々な出来事をくぐりぬける。そのたびに新しい色が加わる。いろんな色が複雑に重なりあい溶けあって、深い色あいになっていく。その変化は絶えまなく続くのだ。
この恋の行く末は、誰にもわからない。何色に染まるのだろう。きっと予想もできない色。きっと誰とも違う色なんだろう。
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題材の京都の街並み。人一人が通れるか通れないかの路地の先に、知る人ぞ知るお店があったりする、京都ならではの街並みです。慣れるまではきっと迷子になること必須。何年も住んでいても、知らなかった場所があったりするらしいですよ。

草木染め。この本を読んで、何気なしにお土産品として買ったことがあった草木染の奥深さを知りました。草木染めはどれも一点もの。二度と同じ色がでることはないそうです。自分だけの色を探すのも一興ですね。

材料は山などに生えている植物たち。珍しい材料も多く、わざわざ遠方まで取りに行くこともあるそうです。

同じ色は二度とでない。そういわれるほど繊細な草木染め。その魅力に魅了されるのも、いつかこれだという自分だけの色を染めたい、という気持ちになるのも、わかる気がしました。

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